Lawson v. FMR LLC (1)—企業改革法806条の適用範囲

企業改革法(Sarbanes-Oxley Act) 806条に基づく通報者保護(whostle blower protection)の適用範囲に関する事案で,最高裁判所が裁量上訴を認めています1

第一巡回区合衆国控訴裁判所の判決は,Lawson v. FMR LLC, 670 F.3d 61 (1st Cir. 2012)です。

via Corporate & Securities Law Blog, Securities Law Practice Center, Jim Hamilton’s World of Securities Regulation

  1. Lawson v. FMR LLC, — S.Ct. —-, 2013 WL 2149801 (mem) (May 20, 2013). []

シナジーの分配

そもそも,企業の買収で,平均どれくらいのシナジーが生じるのだろう。それは,買収者と対象会社でどのように分配されているのだろう。という,普遍的な問題に関して,もしかしたら,答えてくれるかもしれないと思ったのが,McKinsey & CompanyのM&A in 2012: Picking up the paceのExhibit 2です。

計算方法などよくわからないところも多いですが,deal value added (DVA)は,(他の指標と比較して)相対的に変化せず,買収者と対象会社が受けるシナジーの量は,結構,振れるという風に読み取ることができるのかもしれません。これは,市場環境等の交渉の結果なのでしょうか,それとも他に理由があるのでしょうか。

via McKinsey & Company

日本経済新聞「資金調達、新株予約権を活用、「ライツイシュー」希薄化軽減」2013年5月21日朝刊15頁

日本経済新聞「資金調達、新株予約権を活用、「ライツイシュー」希薄化軽減」2013年5月21日朝刊15頁を見ると,資金調達額が少ないものが多くて,米国と同様の傾向を示していると思います。

クレアHDのライツ・オファリング

有価証券届出書
払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
737,132,175 45,356,608 691,775,567

2.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれていない。なお、当該発行諸費用の内訳は下記の通り。

a.業務委託報酬 36,856,608円 三田証券株式会社

b.弁護士報酬 3,000,000円 第一中央法律事務所

c.株主名簿管理人への手数料 2,000,000円 日本証券代行株式会社

d.その他諸費用(各口座管理機関事務手数料等) 3,500,000円

外国居住株主による本新株予約権の行使について本新株予約権の募集については、日本国以外の法域において登録又は届出を行っておらず、またその予定もない。外国に居住する株主は、本新株予約権の行使に関しそれぞれに適用される証券法その他の外国の法令に基づく規制が課せられないことについて、本新株予約権の行使請求取次の依頼日(ここでは口座管理機関が行使請求に要する事項の通知を行使請求受付場所に行う日とする)の7営業日前までに、当該事項を証する資料を当社に提供し、かつ当該事項を当社が確認した旨の通知を、口座管理機関(機構加入者)から行使請求受付場所に対する行使請求取次に関する通知がなされる日の前営業日までに、当社から当該株主宛に書面にて行った場合を除き、本新株予約権の行使について制限がなされる。

ライツ・オファリング(ノンコミットメント型 )に関するQ&A

外国居住だが、本新株予約権の行使を希望する場合はどうすればよいのか

外国居住の株主様につきましては、原則として本新株予約権の売買は可能な一方で、本新株予約権の行使は、一部の例外を除き、制限させて頂くこととなります。 これは、外国居住の株主様に対する証券法等、適用される外国の法令上、本件に伴う新株予約権の行使が、当該法令におきまして有価証券等の募集行為に該当する可能性があり、外国居住の株主様による新株予約権の行使を認めた場合、外国の法令に基づく当局への登録等の手続きが必要となる可能性があるためです。当社が、当該法令に基づき必要な登録等の手続きを行った場合には、多大な金銭的・事務的コストが発生することが想定され、本件資金調達に支障を来すおそれがあると考えられることから、行使の制限を設けさせて頂いております。

本新株予約権の行使を希望される外国居住の株主様におかれましては、誠にお手数ではありますが、行使請求を行う日の7営業日前までを目途に、当社問合せ先([電話番号])までお問合せ頂いたうえで、自らが米国の居住者では無い旨を証明した資料及び別途当社が指定する資料を当社に提供ください。当社にて法令上の問題がないことが確認出来た場合は、当該株主様による行使を認めさせて頂きます。その場合には、当社よりその旨書面にて通知いたしますので、その後に証券会社等を通じて本新株予約権の行使をご請求ください

アイ・アールジャパンのライツオファリング

有価証券届出書

本新株予約権の行使は、米国の1933年証券法(その後の改正を含み、以下「米国証券法」という。)に係るルール801(以下「ルール801」という。)による登録義務の免除規定に依拠して行われることが想定されており、ルール801を適用するための要件として、米国の居住者が米国証券法に係るレギュレーションS(以下「レギュレーションS」という。)に従った取引以外の方法で本新株予約権の取引を行うことを禁止することが要求されている。米国人株主は所定の手続に従って割当てを受けた本新株予約権を行使することができるが、本新株予約権無償割当てに関して米国証券取引委員会に対する届出書の提出は行われない。本新株予約権は、株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」という。)に上場され、株式会社証券保管振替機構の振替制度を通じて取引される。

新株予約権の行使の条件

1.各本新株予約権の一部行使はできないものとする。

2.ルール801に従い、本新株予約権の行使につき米国における登録が免除されており、ルール801を適用するための要件として、米国の居住者がレギュレーションSに従った取引以外の方法で本新株予約権の取引を行うことを禁止することが要求されていることから、外国に居住又は所在する者により保有され又は実質的に保有されている本新株予約権(以下「表明対象本新株予約権」という。)が行使される場合には、以下の表明がなされた行使請求取次依頼書が直近上位機関に提出されることを条件とする。表明対象本新株予約権が、本新株予約権無償割当て又はレギュレーションSに従って行われた取引によって取得されたことを表明する。

8. 外国法令の遵守

外国法令の遵守のため、本新株予約権の行使請求取次依頼書に、本新株予約権を行使しようとする各本新株予約権者から以下の表明を受けたものとみなす旨を記載するものとする。

? 本新株予約権を行使しようとする日本国内に居住又は所在する本新株予約権者は、当該行使により、ルール801(ルール801を適用するための要件として、米国の居住者がレギュレーションSに従った取引以外の方法で本新株予約権の取引を行うことを禁止することが要求されている。)に従い、本新株予約権の行使につき米国における登録が免除されていることを理解している旨を表明したものとみなされる。また、本新株予約権を行使しようとする日本国内に居住又は所在する本新株予約権者は、当該行使により、本新株予約権無償割当て又はレギュレーションSに従って行われた取引のいずれかを通じて当該行使に係る本新株予約権を取得した旨を表明し合意したものとみなされる。

払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
1,012,212,000 70,000,000 942,212,000

IR Japanの米国SECへの送付書類

フォンツのライツ・オファリング

有価証券届出書
払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
693,482,500 39,700,000 653,782,500

(注)2.発行諸費用は、業務委託報酬19,400,000円、弁護士報酬15,200,000円、登記費用5,100,000 円その他諸費用からなります。なお、本新株予約権の行使比率が50%の場合には、?払込金額の総額346,000,000円、?発行諸費用の概算額34,200,000円、?差引手取概算額311,800,000円となります。その場合における発行諸費用は、業務委託報酬16,400,000円、弁護士報酬15,200,000円、登記費用2,600,000円その他諸費用からなります。

本新株予約権無償割当てについては、当社株主のうち本邦以外の地域に居住する株主(以下「外国居住株主」といいます。)以外の株主に対して割り当てられる本新株予約権に関し、同月12日、有価証券届出書を提出いたします。

外国居住株主による行使制限についても当該制限は株主平等の原則に違反するものではないこと等の事情から、本新株予約権無償割当ての発行条件の内容は相当性があるとされています。

Jトラストのライツ・ファリング

有価証券届出書

本新株予約権の募集は、米国証券法ルール801に基づく登録免除の対象となっている。従って、米国居住者が本新株予約権の割当てを受けた場合、その割り当てられた新株予約権の転売を、レギュレーションSに従う取引以外で行うことは、同ルールの規定により禁止されている。

払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
113,069,318,400 1,148,480,208 111,920,838,192

発行諸費用の概算額には、各口座管理機関への事務手数料565,346,592円、登記費用395,892,614円、フィナンシャル・アドバイザーへの業務委託報酬20,000,000円、その他諸費用(日本法及び米国法の各弁護士報酬、信託報酬、及び広告費等)167,241,002円を含み、消費税等は含まれていない。

Jトラストの米国SECへの送付書類

株式会社日本エスコン(8892)のライツ・オファリング

株式会社日本エスコン(8892)のライツ・オファリングは,米国証券法という視点では,基本的に株式会社エー・ディー・ワークス(3250)と同じのようです。背景として,8892の方が,3250よりも外国人の持ち株比率が高いのですが(四季報によると,外国人持ち株比率16.5%),必ずしも米国保有者が多いということではないと思います。

株主平等原則と米国法に対する準拠の利益衡量ですが,どういう判断だったのでしょうか。

ライツ・オファリングにおいては、特定の証券会社等の金融機関との間で、当該金融機関が予め一定の期間内に行使されなかった新株予約権について、その全てを引き受けた上でそれらを行使することを定めた契約を締結する、いわゆるコミットメント型ライツ・オファリングといわれるスキームがあるところ、当該スキームを採用することによって、資金調達額が当初想定していた額に到達せず、又はそれにより想定していた資金使途に充当できないこととなるリスクを低減させることができます。しかしながら、当該スキームについては、平成25 年4月中旬頃、国内で初の発行事例が発表されたものの、本件検討段階においては前例がなく、当社が打診した複数の証券会社のうち、これを取り扱う証券会社がなかったことに加え、当社の現状の株式状況(時価総額及び市場での株式出来高)からは、(鄯)本件の調達金額水準は、当該発行事例(払込金額の総額1,012,212,000円)と比較して、時価総額対比での規模が大きく、さらに、直近3ヶ月の当社普通株式1日当たり平均売買代金(株式流動性)と調達金額水準を比較した場合、本件の調達金額水準の方が株式流動性に与える影響が大きいと考えられること、(鄱)本資金調達方法と比較した場合、引受証券会社等における引受手数料は、(鄯)を考慮した場合、高額な水準になると想定されること、及び(鄴)当該引受手数料の支払いを前提とした場合でも、現状のように急激に株価が変動している局面においては、コミットメント契約の締結に際して、一定の検証期間を要すると想定され、時間的制約の問題が生じること、を鑑みた結果、現時点においては、資金調達方法の候補からは除外いたしました。

米国に居住する株主様(本書においては、1933 年米国証券法(U.S. Securities Act of 1933)ルール800 に定義する「U.S. holder」を意味します。以下「米国居住株主」といいます。)につきましては、本新株予約権の売買は可能な一方で、本新株予約権の行使は、制限させて頂くこととなります。米国居住株主に対する当該制限については、株主平等の原則に抵触する可能性も含め慎重に検討をいたしましたが、当社といたしましては、(鄯)米国居住株主による新株予約権の行使を認めた場合に履行する必要があり得る米国当局に対する登録等の手続きに係るコストが極めて大きな負担となる一方で、(鄱)本件においては、仮に米国居住株主による新株予約権の行使を制限したとしても新株予約権の上場によって流動性が確保されるため、当該株主の皆様も市場取引を通じて一定の経済的利益の獲得を図れることに加え、持株比率を維持したい米国居住株主としては、市場において当社普通株式を購入することでこれを維持することも可能であることに鑑みた上で、さらに現在における株式市況・当社株式の流動性・株主構成等の諸事情を総合的に勘案した結果、当該制限は株主平等の原則に違反するものではないと判断いたしました。

【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
3,518,830,000 174,000,000 3,344,830,000

via 商事法務メルマガ

CF Industries’ Shareholder Votes on ESG Issues

ESGは,environmental, social and governanceの略です。CF Industriesの株主総会に関するDavis Polkのblogでは,次のように伝えています。

A proposal seeking disclosure of corporate political contributions won 66% of the votes, a marked difference from the prior record of 53% for the same proposal at Sprint two years ago. Another proposal asking the company to provide a sustainability report on ESG issues resulted in the highest support any socially oriented proposal has ever received, with 67%. Finally, a proposal seeking board diversity passed with 51% of the shareholders in voting in favor, even though Glass Lewis recommended against it. Glass Lewis supported the other two proposals. ISS favored all three.

The success of these social proposals is surprising, while the overwhelming support received on the fourth proposal asking the board to eliminate supermajority voting standards is consistent with how these types of proposals have fared at other companies.

There were no obvious signs of any active campaigns against the company. At this year’s meeting, the company also included its own proposal to move to annual elections for directors after two consecutive years of shareholder proposals seeking declassification were supported by more than 90% of votes cast each time.

via Davis Polk Briefing Governance, EDGAR (2013), EDGAR (2012, declassification)

Coffee教授による2012年の証券訴訟

Professor Coffee writes:

Given this decline in both filings and settlements, how will private enforcers survive? One answer is that they are moving into related fields. A few (most notably, Grant & Eisenhofer) are specializing in representing opt outs. Others are pursing LIBOR cases, which may not involve any securities law claims. Many smaller firms seem to be specializing in “M&A” class actions in state court.

Why then is the “M&A” field so overpopulated with 5.4 lawsuits for every deal in 2012? The answer probably lies in the fact that the smaller law firm does not need a large institutional client in order to become class counsel in M&A cases. Institutional lead plaintiffs are the ticket of admission for securities class actions in federal court, but not in state court.

If we look not to the aggregate amounts recovered, but to the median and average settlement size, we find that the median settlement in securities class actions rose from \$5.9 million in 2011 to \$10.2 million in 2012―a significant 70% increase.[ix] … From this perspective, the deterrent threat may be growing (but this ignores that the likelihood of a suit has declined, as the number of filings has fallen significantly).

The SEC has become significantly more active in three categories: (1) insider trading cases …; (2) Ponzi schemes …; and (3) financial services misrepresentations and misappropriations ….

via The CLS Blue Sky Blog