最近のデラウェア州における企業価値算定手法について

 今日の最終講義には、様々な点で大変感銘を受けました。自分の勉強が足りないことを感じましたし、新しい示唆というものは幾らでもあるものだと感じました。最終講義の中で、最近のデラウェア州における企業価値算定手法について言及がありました。拙著『証券市場における情報開示の理論』80頁注205(弘文堂,2016)では、次の通り言及しています。

デラウェア州の裁判所は,価値評価の方法について,「金融業界で受け入れられていると一般に考えられている方法」と述べた上で,価値評価の技術革新に応じて,違った価値評価の方法を受け入れている。Weinberger v. UOP, Inc., 457 A.2d 701, 713 (Del. 1983); Global GT LP v. Golden Telecom, Inc., 993 A.2d 497, 517 (Del. Ch. 2010) (Strine, V.C.), aff’d, 11 A.3d 214 (Del. 2010) (資本コストの算定に際し,かつて衡平法裁判所が採用した歴史的なエクイティ・リスク・プレミアムではなく,長期的なエクイティ・リスク・プレミアムの期待値を採用した事例。裁判所は,専門家の新たな意見を採用することの意義について言及している).

 より詳しくは、同事件におけるTestimony of Petitioners’ Expert Witness, Paul A. Gompers, 2009 WL 8399149 (Oct. 15, 2009)をご参照下さい。

企業法の進路

江頭憲治郎先生の古稀記念論文集である黒沼悦郎=藤田友敬編『企業法の進路』(有斐閣、2017)がAmazonで予約できるようになっています。内容は、次の通りです。

企業組織法

  • 得津晶「法人格否認の法理の原構成」
  • 田中亘「上場会社のパラドックス」
  • 權鍾浩「韓国における企業活力向上のための特別法の制定とその意義」
  • 蔡英欣「台湾における閉鎖会社の法規制の新たな展開および課題」
  • 加藤貴仁「株主優待制度についての覚書」
  • 明田川昌幸「差別的内容の行使条件や取得条項が付された新株予約権無償割当てについて
  • 福島洋尚「株式会社法における株主総会と取締役会の権限分配」
  • 柴田和史「会社法310条1項および議決権代理行使の問題と最高裁昭和51年12月24日判決の意義」
  • 宍戸善一「モニタリング・ボード再考」
  • 神谷髙保「会社法327条の2の廃止の提言」
  • 髙橋美加「会社の不法行為責任と内部統制システム構築義務」
  • 大杉謙一「株主代表訴訟はわが国でどのように機能しているか」
  • 弥永真生「関連当事者との取引と手続的安全策」
  • 尾崎安央「学校法人のガバナンスに関する一考察」
  • 松井智予「利益準備金の淵源と機能について」
  • 久保大作「不正な内容を含む計算書類の承認と分配可能額算定の関係についての覚書」
  • 黒沼悦郎「株式買取請求権に関する一省察」
  • 藤田友敬「株式買取請求権をめぐる諸問題」
  • 笠原武朗「組織再編行為における対価の不均衡と無効の訴え」
  • 森田果「あえて言おう,カスであると!——会社訴訟・証券訴訟で利用されるマーケットモデルはどこまでロバストなのか?」

企業取引法

  • 清水真希子「取引法におけるケース・スタディの方法について」
  • 三宅新「民事仲立人と消費者保護」
  • 小塚荘一郎「鉄道車両ファイナンスに関する法ルールの歴史と展望」
  • 榊素寛「保険法における任意規定と強行規定」
  • 大塚英明「傷害保険における『事故と疾病の間の波長帯』の解釈」
  • 白井正和「生命保険における被保険者の精神障害中の自殺」
  • 井上健一「団体信用生命保険の法的問題と規制のあり方」
  • 伊藤雄司「保険業法2条26項にいう保険募集の意義」
  • 箱井崇史「改正商法海商編における定期傭船者の第三者に対する責任」

金融・証券法

  • 森下哲朗「FinTech時代の金融法のあり方に関する序説的検討」
  • 小出篤「『分散型台帳』の法的問題・序論」
  • 後藤元「流通市場の投資家による発行会社に対する証券訴訟の実態」
  • 堀田佳文「会計監査人の義務と責任」
  • 飯田秀総「インサイダー取引規制における内部情報の保有と利用の違い」
  • 鳥山恭一「欧州連合の内部者取引規制における伸展事象の内部情報」
  • 青木浩子「十年ひとむかし——特定投資家制度の日英比較」
  • 神作裕之「日本版スチュワードシップ・コードの規範性について」

via 有斐閣

Davis Polk: HSRのしきい値の変更

[Jan. 19, 2017], the Federal Trade Commission (FTC) announced revised Hart-Scott-Rodino Act (HSR) reporting thresholds under which transactions will be reportable only if, as a result of such transaction, the acquiring person will hold voting securities, assets, or non-corporate interests valued above $80.8 million, compared to $78.2 million in 2016. The newly adjusted HSR thresholds will apply to all transactions that close on or after the effective date, which is expected to be in late-February (the exact date will depend on when the changes are published in the Federal Register).

DVIファイルのPDFへの変換

私は,Macを使っています。dviファイルは,Mac Texを入れていると,dvipdfmxでpdfに変換されて,Skimで見ることができます。ただ,そのままだと,Spotlightの全文検索には,引っかかりません。

dviファイルでインデックスを作成するようにすることもできるのですが,より簡単な方法として,dviファイルを,pdfに変換する方法があります。Mac Texをインストールして,ターミナルからdvipdfmxが使えるようにしてから,次のコマンドで変換します。

ls *.dvi | xargs -L 1 dvipdfmx

Sheppard Mullin, Delaware Supreme Court Confirms that Dilution Claims Typically Are Derivative and Are Extinguished After a Merger

Stockholder claims alleging wrongful dilution are typically considered to be derivative in nature. Several decisions out of Delaware, however, have created exceptions to this general rule allowing stockholders to sue directly (rather than derivatively on behalf of the corporation) where, for example, a controlling stockholder authorizes a “disloyal expropriation” which reduces the economic value and voting power of the non-conflicted stockholders. See, e.g., Gentile v. Rossette, 906 A.2d 91, 100 (Del. 2006); Gatz v. Ponsoldt, 925 A.2d 1265 (Del. 2007); Feldman v. Cutaia, 951 A.2d. 727 (Del. 2008). In El Paso Pipeline GP Company, L.L.C. v. Brinckerhoff, No. 103, 2016, 2016 Del. LEXIS 653 (Del. Dec. 20, 2016), the Delaware Supreme Court declined to add to these exceptions and reaffirmed the general rule that dilution claims must be brought derivatively. As a result, a derivative plaintiff losses his or her standing to pursue a dilution claim if the entity is acquired through a merger.