株式発行に関するニューヨーク証券取引所の規則改正

The changes will: require shareholder approval of cash sales to related parties only at prices less than the current market price (assuming the 20% rule and change of control rule discussed below do not apply);

no longer require shareholder approval for share issuances to related parties’ subsidiaries or affiliates (unless a related party has a 5% interest in the company or assets being acquired with the share issuance); and

require shareholder approval of any transaction where a related party has a 5% interest in the company or assets being acquired with the share issuance (or related parties collectively have a 10% interest), when the issuance results in a 5% increase in outstanding shares or voting power.

企業価値評価

 ファイナンスに続いて企業価値評価に関する書籍を紹介します。

 私がソニー時代に読んだものとして、まず、K・G・パレプ=P・M・ヒーリー=V・L・バーナード(斎藤静樹監訳)『企業分析入門』(東京大学出版会,2001)が挙げられます。他の類書と比較して、迂遠だと思われる内容が多いような気がしますが、当時は、知らないことが多く、とても参考になりました。発展的な内容を理解する上での基礎知識として有用でしょう。英語版は、Krishna G. Palepu & Paul M. Healy, Business Analysis and Valuation: Using Financial Statements (5th ed. 2015)だと思います。

 財務部時代には、証券会社のアナリストレポートに対するアクセスがあり様々な会社の少なくとも数百のアナリストレポートは読んだような気がします。今はよく存じ上げないのですが、当時、JPMやCは、DCFを用いた企業価値評価をアナリストレポートに掲載していることが多く、場合によっては、計算に用いたエクセルシートにアクセスすることもできました。他方、GSの無駄を排してA4で1枚から2枚に纏まったPER重視のアナリストレポートからは、市場での関心がどのような点に向いているのかを教えられました。また、Bloombergにアクセスすることもできましたし、I/B/E/Sへのアクセスもありました。今となっては、証券会社が用いるデータベースも様々ですが、一会社員にしては、色々な情報に触れて、市場の動きや考え方を理解する上で有益だったように思えます。

 次に読んだのは、Shannon P. Pratt & Alina V. Niculita, Valuing a Business: The Analysis and Appraisal of Closely Held Companies (5th ed. 2008)だったように思います。当時は、第4版でした。この書籍で、企業価値評価の基本を学んだように思います。また、今から考えると、早いうちから非上場会社の企業価値評価の難しさに触れた点が有益でした。Amazonによると、2021年末にShannon Pratt & Roger Grabowski, Valuing a Business: The Analysis and Appraisal of Closely Held Companies (6th ed. 2021)が出版されるようです。

 留学前には、鈴木一功『企業価値評価〔実践編〕』(ダイヤモンド社,2004)と首っ引きでした。当時、企業価値評価の実務について解説する書籍が限られていたため、この書籍が実務的な側面を解説しているのはとても有用でした。長らく在庫切れだったと記憶しているのですが、今では、Kindle版も出版され、アクセスしやすくなっています。数年前に著者にお目にかかった際に、同書から多くを学んだ点と新版を出してほしいという個人的な希望をお伝えしました。それが原因だったとは思わないのですが、鈴木一功『企業価値評価〔入門編〕』(ダイヤモンド社、2018)が出版されています。

 次は、マッキンゼー・アンド・カンパニー『企業価値評価〔第6版〕上』(ダイヤモンド,2016)及びマッキンゼー・アンド・カンパニー『企業価値評価〔第6版〕下』(ダイヤモンド,2016)です。当時は、第4版の翻訳でした。この書籍によって、企業価値評価を学ぶことが容易になったように思います。英語版は、McKinsey & Company Inc., Valuation: Measuring and Managing the Value of Companies (7th ed. 2020)で、第7版が出ています。

 留学前からダモダラン先生のお名前は伺ったことがあるのですが、その著作を読んだのは、留学後でした。企業価値評価関連で、多くの著作がありますが、Aswath Damodaran, Damodaran on Valuation: Security Analysis for Investment and Corporate Finance (2d ed. 2006)は、多く参照されるものの一つです。

 企業価値評価は、他にも色々とありそうですが、代表的なもので直ぐに思い浮かぶのは以上ということで。

MacTeX 2021へのアップグレード

 私は、未だに、M1 Macを所有しておりませんので、以下は、Intel Macについてということになりますが、M1 Macでも同じかもしれません。前年度より、x86_64-darwinがuniversal-darwinに変わるという変更があります。今の所、これで特段問題なく使えているように思えます。

$ brew install --cask mactex-no-gui

$ brew install --cask texshop

$ sudo tlmgr option repository ctan

$ sudo tlmgr option repository http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet

$ sudo tlmgr update --self --all

$ sudo tlmgr paper a4

$ sudo /usr/local/texlive/2021/bin/universal-darwin/tlmgr path add

$ sudo tlmgr repository add http://contrib.texlive.info/current tlcontrib

$ sudo tlmgr pinning add tlcontrib '*'

$ brew install gnupg

$ curl -fsSL https://www.preining.info/rsa.asc | sudo tlmgr key add -

$ sudo tlmgr install japanese-otf-nonfree ptex-fontmaps-macos cjk-gs-integrate-macos japanese-otf-uptex-nonfree

$ sudo cjk-gs-integrate --cleanup --link-texmf

$ sudo cjk-gs-integrate-macos --force --link-texmf

$ sudo mktexlsr

$ kanji-config-updmap status

$ sudo kanji-config-updmap-sys toppanbunkyu-highsierra

補遺1:mirror.ctan.orgに上手くアクセスできないために、jaistを指定しています。

補遺2:gpgのエラーが発生しましたが、 brew reinstall –cask mactex-no-guiでことなきをえました。

コーポレート・ファイナンス

 ファイナンスの良書を(個人的な経験に基づいて)紹介します。筆者が浅学非才であるという制約がありますし、遺漏があるかもしれませんが、コメント欄でご教示いただければ幸いです。

 まずは、ソニー時代に読んだ書籍として、ツヴィ・ボディ=ロバート・C.マートン=デーヴィッド・L・クリートン(大前恵一朗訳)『現代ファイナンス論—意思決定のための理論と実践〔原著第2版〕』(ピアソン桐原,2011)を挙げます。独学でも理解できるくらい丁寧に説明されているという印象です。ただ、難易度は高くないですし、時間がない場合には、次の書籍から読み始めても良いように思えます。ただ、私は、この書籍のおかげで、次のステップに進むことができました。英語版は、Zvi Bodie et al., Financial Economics (2d ed. 2008)です。

 次に読んだのは、リチャード・A・ブリーリーほか(藤井眞理子=國枝繁樹訳)『コーポレート・ファイナンス〔第10版〕上』(日経BP、2014)及びリチャード・A・ブリーリーほか(藤井眞理子=國枝繁樹訳)『コーポレート・ファイナンス〔第10版〕下』(日経BP、2014)です。ソニーの財務部時代に読みました。当時は、第6版だったと思います。少なくとも、上巻は、独学でも十分に理解できる内容でした。理解しやすいので、読み進めることも難しくないように思います。博士後期課程にいた頃は、最新版ということで英語版を確認していました。Richard Brealey et al., Principles of Corporate Finance (13th ed. 2019)です。

 ニューヨーク大学の大学院でファイナンスの講義を受けた際の指定教科書は、Stephen Ross et al., Corporate Finance (12th ed. 2018)でした。当時は、第7版だったと思います。説明が明確で、Brealey Myersよりも、説明されている話題が多く、ファイナンスが良く理解できたと感じました。日本語版は、スティーブン・A・ロスほか(大野薫訳)『コーポレートファイナンスの原理』(きんざい,第9版,2012)になります。新版に対応してほしいと願うのですが、なかなか実現していません。少し古いのですが、基本的な理解には十分であるように思えます。

 日本では、ブリーリー先生の教科書が特に人気を集めているように思えます。ロス先生の教科書は、翻訳の出版ペースが遅いのが仇になっているのかもしれません。ただ、この2つが長い間、定番の教科書だったということに多くの方が同意すると思います。

 この2冊の教科書に割って入っているのが、Jonathan Berk & Peter DeMarzo, Corporate Finance (Global 5th ed. 2019)であるように思えます。日本語版は、ジョナサン・バーク=ピーター・ディマーゾ(久保田敬一ほか訳)『コーポレートファイナンス入門編〔第2版〕』(丸善出版、2014)及びジョナサン・バーク=ピーター・ディマーゾ(久保田敬一ほか訳)『コーポレートファイナンス応用編〔第2版〕』(丸善出版、2014)があります。

 以上が、ファイナンスの教科書です。どれを選択してもファイナンスの基礎は十分理解できるようになるでしょう。補遺として、幾つかの書籍を紹介します。

 最初に、William A. Klein, John C. Coffee, Jr. & Frank Partnoy, Business Organization and Finance: Legal and Economic Principles (11th ed. 2010)です。Allen教授が自らが執筆したケースブックに加えて、副読本として指定していました。最初にこの書籍を読んだときには、とても感動したと記憶しているのですが、最近、手にしてみると特に感動はありませんでした。版が変わったからでしょうか。

 証券投資寄りのファイナンスの入門書として、俊野雅司ほか『ファイナンス論・入門』(有斐閣コンパクト、2020)が挙げられます。著者からご恵与頂いたのですが、広い分野のファイナンスをコンパクトに纏めているという点で優れているように思います。

 Burton G. Malkiel, A Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing (12th ed. 2019)は、留学中に受けた講義の副読本でした。対応するバートン・マルキール(井手正介訳)『ウォール街のランダム・ウォーカー〔原著第12版〕株式投資の不滅の真理』(日経BP、2019)が出版されています。これに加えて、リチャード・セイラー(篠原勝訳)『セイラー教授の行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2007)を読むのが良いと思います。英語版は、Richard H. Thaler, The Winner’s Curse: Paradoxes and Anomalies of Economic Life (1992)です。初めて読んだ時に衝撃を受けました。

 他にも思いついたものがあれば、随時追記していくことにします。