講義等で役立つ方もいるのではないかと思いまして、共有します。拒絶証書が免除されていないという点に気づきました。他にも興味深い点があると思います。
投稿者「湯原心一」のアーカイブ
複数形
英語において、複数形を文字を重ねて表現することがある。例えば、pageの略である、p.について、複数形のpagesをpp.と表すことは、一般的な引用において、散見されるところである。(ただし、Bluebookの引用では、p.やpp.は用いられない)
Bluebookの引用に基づいて、複数形で文字を重ねるのは、次のような例がある。
§§ sections
¶¶ paragraphs
nn. notes
n.の後にはスペースを開けないけれど、§や¶の後にはスペースを開ける。留学時代に証券規制の講義のゲストとして、Sullivan & Cromwellの弁護士が資料を配ったのだけれど、そのスペースがいわゆる non-breaking space だった。Wordでも、LaTeXでも、これを使うのが良いだろう。
複数形が法学以外で用いられる例として直ぐに思いつくのは証券業界である。1 milllionは、1mだが、150 millionは、150mmと表すのは、アナリストレポートで良くある省略である。例として、 JPMのアナリストレポート を挙げる。
他に何かあるかを考えたときに思いついたのが、米国の法学修士号で一般的なLL.M.である。Legum Magisterの略だが、LegumがLegisの複数形ということではないだろうか。確認は取れなかったので、仮説ということで。
湯原心一「会社と厚生」成蹊大学法学部編『未来法学』109〜128頁(有斐閣、2022)の訂正
成蹊大学法学部創設50周年記念論集である『未来法学』に寄稿した「会社と厚生」に誤りがありましたので、次の通り、訂正いたします。校正の機会を与えて頂いたのに、気付かずに失礼しました。
程なく、有斐閣のウェブサイトにも訂正が掲載されるはずです。
■125頁13行
(正)
\( = \sqrt{E(V_{E} \mid a)} + \sqrt{E(V_{d1} \mid a)} + \sqrt{E(V_{d2} \mid a)} \)
(誤)
\( = E(V_{E} \mid a) + E(V_{d1} \mid a) + E(V_{d2} \mid a) \)
リーマンショック前後のTOPIX

リーマン・ブラザーズの破綻は,2008年9月15日(日)(米国時間)です。Wikipediaのリーマン・ショックの項目では,「日経平均株価も大暴落を起こし,9月12日(金曜日)の終値は12,214円だったが,10月28日には一時は6,000円台(6,994.90円)まで下落し,1982年(昭和57年)10月以来,26年ぶりの安値を記録した。」と記されています。日本の株価は,翌営業日から暴落したでしょうか。
調べてみると,翌16日の株価の下落は,約5%に留まっています。しかも,9月24日の終値は,12日の終値の99%で,そこまで指標を戻しています。例えば,この間(例えば,2008年9月15日から9月24日まで)に株価が下落した日本の会社がある場合,その株価下落は,リーマン・ショックと関係があるものといえるでしょうか。
例えば,もし,その会社がリーマン・ブラザーズと取引関係にあって損失を被るということであれば,株価の下落をリーマン・ショックと結びつけることは適切であるように思います。しかし,会社がリーマン・ブラザーズと取引関係を有しないような場合,日経平均やTOPIXを超える株価の下落が発生したとしても,リーマン・ショックと結びつけて株価が下落したとはいえないように思います。
東京高判平成30年3月19日金判1545号14頁〔プロデュース事件〕を検討する方には、この点を是非理解していただきたい。
『証券市場における情報開示の理論』
拙著『証券市場における情報開示の理論』を3月末に出版しました。金融商品取引法の開示規制を法と経済学,行動経済学,ファイナンスなどの観点から理論的に検討するものです。
米国会社・証取法判例研究の一覧
History of Textbooks
米国の著名なケースブックについて過去の版の著者を調べてみました。
続きを読む米国の法学教授の引用数ランキング
〔2014年6月17日追記〕
Rank | Name | Institution | Total Citations | Age in 2013 |
---|---|---|---|---|
1 | John Coffee, Jr. | Columbia University | 1490 | 69 |
2 | Lucian Bebchuk | Harvard University | 1120 | 58 |
3 | Stephen Bainbridge | University of California, Los Angeles | 1010 | 55 |
4 | Reinier Kraakman | Harvard University | 790 | 64 |
5 | Donald Langevoort | Georgetown University | 790 | 62 |
6 | Stephen Choi | New York University | 780 | 47 |
7 | Ronald Gilson | Columbia University, Stanford University | 780 | 67 |
8 | Roberta Romano | Yale University | 740 | 61 |
9 | Lynn Stout | Cornell University | 740 | 56 |
10 | Henry Hansmann | Yale University | 710 | 68 |
Jonathan Macey | Yale University | 1220 | 58 | |
David Skeel | University of Pennsylvania | 740 | 52 |
〔2014年6月14日〕
-
- Cass Sunstein Harvard University 5540 59
- Erwin Chemerinsky University of California, Irvine 3010 60
- Richard Epstein New York University, University of Chicago 2700 70
- Eric Posner University of Chicago 2450 48
- Mark Lemley Stanford University 2360 47
- William Eskridge, Jr. Yale University 2070 62
- Mark Tushnet Harvard University 1910 68
- Akhil Amar Yale University 1790 55
- Lawrence Lessig Harvard University 1750 52
- Daniel Farber University of California, Berkeley 1740 63
- Laurence Tribe Harvard University 1740 72
- Judge Posner (Chicago) 6980
- Judge Easterbrook (Chicago) 2130
- Judge Calabresi (Yale) 1290
Leiter教授は,新しいロースクールのランキングのサイトを立ち上げるようです。
米国の証券市場は不正に操作されているのか
マイケル・ルイスMichael Lewisの最新作を基にした60 Minutesのビデオです。とても面白いです。
〔2014年4月3日追記〕少し古いですが,BusinessWeekの「注文がどのように処理されるのか」も掲げておきます。
〔2014年4月6日追記〕今日の日経記事にVirtu Financialが取り上げられていました。その中で,損失を被った日が「1238日」のうち1日とありましたが,私が調べた限りでは,1278日のうち1日です。
The chart below illustrates our daily Adjusted Net Trading Income from January 1, 2009 through February 28, 2014. As a result of our real-time risk management strategy and technology, we had only one losing trading day during the period depicted, a total of 1,278 trading days.1
- Virtu Financial, Inc., Amendment to Registration Statement (Form S–1/A) (Mar. 27, 2014). [↩]
東京地決平成25年3月14日金判1429号48頁〔ホリプロ事件〕
難しい問題が多いのですが,少し考えてみました。