「草野耕一最高裁判事就任記者会見の概要」(2019年2月13日)

【記者】草野判事はこれまで企業や経済に関わる仕事をされてきたと思いますけれども,そういった経験を最高裁判事の職務にどう生かしていきたいとお考えでしょうか。

【判事】おそらく2点申し上げることができるかと思います。1点目は,企業の世界というのは,いかにパイを大きくするかということが,いかにパイを公平に分配するかという問題と同等かそれ以上に重要な場面が多くございます。最高裁判事としても,そういう2つの面,すなわち,できるだけ分配するパイを大きなものとするということと,それを公平に分配することという2つのことを考えていくという点については,これまでの経験が役立つと思います。それから,もう1点,技術的な問題で恐縮ですけれども,経済の世界というのは,法律あるいは法解釈を変えることによって経済の仕組みが変わるという面がございます。それは程度の差はあれ,あらゆる法理論にいえることです。法解釈を変えるとどのようにそれが社会に影響を与えるのか,ということを帰納的に考えてあるべき法律論を考察するという思考方法,これをこれまでの経験をいかして今後とも使っていきたいと考えた次第であります。