株価が一定の傾向で低下する状況について

アーバンコーポレイションの株価が破綻の前に減少し続けた理由は,投資銀行によるMSワラントの行使による空売りがあったのだと思いますが,そのような人為的な影響がない場合に,株価が減少し続ける場合があるのでしょうか。

考えればいくつもの状況が考えられるのでしょうが,例えば,ベータが1の会社について,一定期間市場平均が一定であると仮定して,それでも株価が下がり続けるとしたら,どのような状況を想定したらよいでしょうか。

思いつきは次のようなものです。

  • 株式を企業価値(株式の価値+負債の価値)を基準としたオプションだと考えます*1。そして,一定期間に資金調達ができない場合,会社が破綻して株価がゼロになるとします。この期間を,オプション期間と呼ぶことにします。
  • 市場は,準強度に効率的で,会社は,巨額の債務超過なので,事業上の個々の出来事は,株価に与える影響が小さいとします。
  • 資金調達ができて正の現在価値を有するプロジェクトに投資できる場合,株式の価値が,正の値であるXになるとします。調達額,それにより実行可能なプロジェクト,その結果の株式の価値を正確に測ることは市場ではできないでしょうが,とりあえず,ここでは,それがXになるとします。+Xではなく,正の値であるXになるとします。
  • 会社が資金調達できるか否か,いつ資金調達ができるか否かは確定的ではないものの,資金調達ができる可能性は,オプション期間で一定であるとします。

この場合,オプション期間における株価は,与えられた条件から計算できると思います。そして,それは,資金調達ができないままオプション期間が短くなればなるほど,株価が低くなるという傾向を示すと思います。(思いつきなので間違ってるかもしれません。)

アーバンコーポレイションの場合,株価の下落は,MSワランツによるものが大きかったのだろうと根拠もなく思うのですが,その他の説明も,もしかしたら可能なのかもしれません*2。もし,株価の減少傾向が理論的に説明可能である場合が存在するとして,このようなとき,金商法21条の2第2項,4項,5項は,どのように解釈すべきでしょうか。

他にも株価が一定の割合で下がり続ける場合は,あるのかもしれませんが,とりあえず。

*1:Fischer Black & Myron Scholes, The Pricing of Options and Corporate Liabilities, 81 J. Pol. Econ. 637–654 (1973).

*2:アーバンの場合,MSワランツの影響が大きすぎるので,MSCBやMSワランツを発行していない会社の破綻事例の破綻前の株価の傾向を調べてみたいところです。