National Defense Authorization Actなる法律について

 現在、日米法学会から依頼されたLiu v. SEC, 140 S. Ct. 1936 (2020)について、判例の紹介を執筆しています。この執筆の過程で、National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2021という法律に出くわしました。この法律(当時は、法案)は、どうやらLiu判決と関係がありそうなので、判例紹介の中でも言及するつもりでいます。

 この法律(法案)に馴染みが無かったので、不思議に思ったことが一つありました。すなわち、なぜ、国防に関する法案に、証券規制に関する些かマイナーな改正が含まれているのかということです。証券法の改正が、いわゆるクリスマス・ツリー法案によってなされることがあり、過去にも取り上げたことがあります。しかし、私が今まで経験したクリスマス・ツリー法案は、日本でも報道されるようなメジャーな法案が多く、今回のような毎年成立する法案について、証券法の改正が付随するということが良く理解できませんでした。NDAA 2021については、トランプ大統領が拒否権を発動し、それを連邦議会が覆したため、話題になり、その過程で、Liu判決と関係があるということを知りました。

 その後、NDAA 2021について、調べていて次のことが理解できました。国防に関する法案(NDAA)は、毎年、成立する。実際、過去60年連続で成立している。そして、毎年、確実に成立する法案であるため、その法案に自らの望む改正を潜り込ませたいと望む議員が多くいる。

 実際、本法案の改正には、下院議員のうち200名程度が関与しているとのことです。確実に成立するという理由から、クリスマス・ツリー法案になるというその政治過程に感心しました。個人的には、証券法の改正を要求した議員が誰なのかを知りたいところですが、私にはよくわかりませんでした。

 2021年3月8日追記:古巣のDavis PolkのメモランダムによるとMark Warner上院議員らしいです。立法過程については、Sidley Austinも詳しく説明しています。参考になりました。

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