アクティビスト株主が協力する企業買収とインサイダー取引(3)

時期を逸してしまいましたが,今更気づいたので採り上げておきます。Valeant PharmaceuticalsとPershing SquareによるAllerganに対する買収提案に関して,Allerganがインサイダー取引違反として,連邦裁判所に訴えたようです。

訴えの内容は,取引所法14条(a)項,14条(e)項,13条(d)項および20A上違反を訴えています。これらに基づいて,違法に購入した株式購入の解除(rescind [] purchases)を含めた宣言的または衡平法上の救済,損害賠償および差止めを求めています。

Allerganの代理人がLatham and Watkins LLPおよびWachtell Lipton Rosen and Katzで,Valeantの代理人がSullivan and Cromwell LLPで,Pershing Squareの代理人がKirkland and Ellis LLPです。

via N.Y. Times Dealbook, Allergan press release, Justia

アクティビスト株主が協力する企業買収とインサイダー取引 (2)

副題をつけるのであれば,米国におけるインサイダー取引規制のループホールの話題ということでしょうか。ループホールは言い過ぎかもしれませんが,「アクティビスト株主が協力する企業買収とインサイダー取引」で取り上げたValeant社とPershing SquareによるAllergan社への買収提案について,その後の議論を紹介します。

判例法理が変わるものではないですが,興味深い事例だと思います。

パックマン・ディフェンス

「逆に相手に公開買付けをかけること(パックマン・ディフェンス)」1 ,「買収者に対する逆買収『パックマン・ディフェンス』と俗称される手法である」2と,説明されれば,そんなものかと思いますが,実態は,これです。

買収防衛策として洗練されていないように見えて,誰もが一度はやってみたいと思ったりはしないでしょうか。こんな機会でもないと,パックマン・ディフェンスに関する記事も集められないので,幾つか挙げてみます。

  • Liz Hoffman, Back to the ’80s: The Pac-Man Defense, Wall Street Journal, Nov 26, 2013 (パックマンディフェンスを用いた過去の事案に言及しています).

  • Scott Stuart, Market eyes Jos. A. Bank pitch to Wearhouse investors, The Deal, Oct. 18, 2013.

  • Origins of the ‘Pac-Man’ Defense, N.Y. Times, Jan. 23, 1988.

  • David Marcus, Familiar advisers line up for Martin Marietta and Vulcan, The Deal, Dec. 14, 2011.

via DealLawyers.com

  1. 松岡啓祐『金融商品取引法講義〔第2版〕』82頁(中央経済社,2012)。 []
  2. 奈良輝久=山本浩二=清水建成=日下部真治編『M&A法制の羅針盤—TOB、三角合併、金融商品取引法施行を踏まえたM&A手法と防衛策』330頁(青林書院,2007)。 []

jumpがあった後,元のbidderが価格を上げなかった例

Steinwayについて,Kohlbergは,Paulsonに買われることを許容したようです。

On August 13, 2013, Parent and Purchaser notified Steinway that they waived their right to negotiate with the Steinway Board with respect to the New Proposal and any other proposal at the same or higher price than the New Proposal.”

via N.Y. Times Dealbook, EDGAR